靖国神社論議

終戦記念日前後、終戦時のアメリカ・中国共産党・ロシアの思惑をあつかったNHKドキュメンタリーや、討論番組をなるべく先入観と精神論を排除して観た。東京裁判の道理性にかかわらず、戦犯分祀が妥当だろうと思われた。麻生太郎の言う靖国の非宗教化は現実的な意味はあまり無いだろうが、政教分離という筋は通るので良いだろう。

メディアは教育の質の低下などによって物事の真贋を見抜けなくなった視聴者をなめていて、薄っぺらなナショナリズムを煽っているという状況は、学生を陥れるのに手の込んだ教義すら不要になってきたカルトと同様に危険だという日経サイエンスの塩谷嘉雄氏のコラムには同感。首相の物事を単純化した発言や、一面だけを強調した発言、また、そういう発言を選択的に報道して助長するメディアも問題だが、その稚拙な論法を鋭く論破できる論客がいないのもふがいない。菅直人小沢一郎は時々するどい発言をしているのだが世論に訴えるまでに至らない。マスメディアが政治に決定的な意味を持つ限りこの流れは当然で、誰も逆らえまい。インターネットなどをメディアとしたオルターナティブジャーナリズムの発達に期待。